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電波時計(でんぱどけい)とは標準電波を受信して誤差を自動修正する機能を持つ時計のことである。 ==動作原理== 標準電波の送信局から送信される原子時計による日付・時刻情報のデジタル信号を受信し、自動的に時刻を合わせる時計が電波時計であり、電波が正常に受信できる環境に限り、秒単位で正確な時刻を知ることができる。 標準電波の情報を利用するため、夏時間(サマータイム)や閏秒によるずれも自動的に修正される。ただしこれは時刻のずれを後から修正するというだけであり、夏時間の切り替え直後は(そのタイミングで受信しない限り)時刻はずれたままになる。閏秒という制度についても、それに対応している(○時59分60秒といった表示を行える)訳でもない。 標準電波の受信の頻度は機種によって様々であり、前回の受信から次回の受信までの間の精度は、その時計(通常はクォーツ時計)自身に依存する。 受信頻度や時計の精度がさほど高くなくても、毎回もれなく受信できる環境であれば、意識されるような時刻のずれは生じない。だが、以下のように電波の受信ができない場合には、その時計(同上)自身の精度によるずれが生じる事になる。 ;標準電波の停波 :送信局は、機器のメインテナンスや故障、事故、災害(あるいはその予防)のために標準電波の送信を停止する場合がある。日本のJJYの場合、数秒から数時間程度の短時間の停波は年に数十回ほど発生している。複数の送信局に対応している機種で、複数局の電波が受信できる地域であればこの問題は回避できる。 ;電波が届かない環境 :送信局から離れすぎている場合には受信できない。また、受信可能な地域の建物においても、まれに受信できないことがある。ただし、最近は技術の進歩で、強固な鉄筋コンクリートなどの建物内の場合でも受信可能な場合が増えている。 :表示時刻が電波により修正されたものかを確認できるように、受信状態を表示するインジケーターが設けられている製品もある(デジタル表示では送信アンテナ型のアイコン、アナログ表示ではLEDなど。1日から数日間電波受信による較正を行えなかった場合は消える)。 ;電池残量の減少 :電池式の電波時計では、電池の残量が少なくなると電波が受信できなくなることがあり、機種によっては省電力(時計機能の維持)のため受信機能を停止する。太陽電池を搭載したものでも、二次電池(充電池)の劣化によって同様のことが起こる。 このほか、標準電波は光の速度で伝播するため、電波発信源より遠い場所においては数ミリ秒程度の誤差が発生する。たとえば、送信所から300キロメートル離れた場所では約1ミリ秒遅れて受信することになる〔標準電波に関するQ&A - 日本標準時プロジェクト(情報通信研究機構)〕。 アナログクォーツ電波時計、コンビネーションクオーツ電波時計は一定の衝撃を受けても基準位置がずれる場合がある。このため、電波時計が電波を正常に受信していても正確な時間を指さない場合がある。なお、基準位置の修正は針位置補正機能が付いていない限り、手作業で行う以外にない〔時計の知識:時計に関するQ&A集 - 日本時計協会〕。 東日本大震災などの際、電波が一時的にキャッチできないという現象が発生した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「電波時計」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Radio clock 」があります。 スポンサード リンク
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